※下記表のカテゴリはヘルプメッセージ(ps --help)のカテゴリーである。
カテゴリ |
オプション |
説明 |
simple |
-A, -e |
全てのプロセスを選択する。 |
simple |
-a |
セッションリーダと端末を持たないプロセスを除く全てのプロセスを表示する。 |
simple |
a |
端末(tty)を持つ全てのプロセスを表示する。また、xオプションと共に指定するとすべてのプロセスを選択する。 |
simple |
-d |
セッションリーダを除く全てのプロセスを選択する。 |
simple |
-N, --deselect |
指定された条件を満たさないプロセスのみを選択する。 |
simple |
T |
この端末のすべてのプロセスを選択する。引数なしのtオプションと等しい。 |
simple |
x |
プロセスのリストを取得する場合に「端末を持たなければならない」という制約をなくす。aオプションと合わせて指定されるとすべてのプロセスを選択する。 |
list |
-C [cmd list] |
コマンド名で選択する。実行ファイル名が cmd list に含まれるプロセスを選択する。 |
list |
-G [group list], --Group [group list] |
実グループ名または実グループ ID が group list リストに含まれるプロセスを選択する。 |
list |
p [pid list] -p [pid list] --pid [pid list]
|
プロセス ID 番号が pid list にあるプロセスを選択する。 |
list |
--ppid |
親プロセス ID 番号が pid list にあるプロセスを選択する。 |
list |
-s [sessionID list] --sid [sessionID list] |
セッションIDが sessionID list にあるプロセスを選択する。 |
list |
t [tty list] -t [tty list] --tty [tty list] |
端末名が tty list にあるプロセスを選択する。 例) ps u -t pts/0,pts/1 |
list |
-u [uid list] U [uid list] --user [uid list] |
実効ユーザIDもしくは実効ユーザ名が uid list にあるプロセスを選択する。 |
list |
-U [uid list] --User [uid list] |
実ユーザIDもしくは実ユーザ名が uid list にあるプロセスを選択する。 |
output |
-F |
完全なフォーマットで出力する。暗黙的に-fオプションが指定される。 |
output |
-f |
完全なフォーマットで出力する。コマンドライン引数も表示される。その他多くのオプションと組み合わせが可能となっている。 |
output |
f, --forest |
ASCII アートでプロセス階層を表示する。 例) ps axufw |
output |
-H |
プロセスを階層表示する。 |
output |
-j |
ジョブ制御フォーマットで出力する。PGID, SIDが追加表示される。 |
output |
j |
BSD ジョブ制御フォーマットで出力する。PPID, PFID, SID, TPGID, STAT, UIDが追加表示される。 |
output |
-l |
ロングフォーマットで出力する。 例) ps ax -l |
output |
l |
BSDロングフォーマットで出力する。 例) ps axl |
output |
-M, Z |
SELinuxに関するセキュリティ情報を表示する。 |
output |
-O [format] |
追加のユーザ定義の出力フォーマットを指定する。指定したフォーマットは下記の位置に表示される。
pid,[format],state,tname,time,command または
pid,[format],tname,time,cmd
|
output |
O [format] |
-O オプションの機能に加えて、ソート順の指定も可能となっている。 |
output |
o [format] -o [format] --format [format]
|
出力される項目を完全に制御するには-Oオプションではなくこのオプションを指定する。
例) ps ax -o pid,comm=command
※全てのプロセスのプロセスIDとコマンドラインを表示する。コマンドラインのヘッダーをcommandに変更する。
|
output |
s |
シグナルフォーマット形式で出力する。例) ps axs |
output |
u |
ユーザ指向のフォーマとで出力する。例) ps axu |
output |
v |
仮想メモリフォーマットで出力する。例) ps axv |
output |
X |
レジスターフォーマットで出力する。 例) ps axX |
output |
-y |
いくつかのフラグを表示しない。ADDRのかわりにRSSを表示する。
※このオプションは -l オプションを指定した時のみ合わせて使用する。 |
output |
--context |
SELinuxのためのセキュリティコンテキストを表示する。 |
output |
--headers |
ページ毎にヘッダー行を出力する。 |
output |
--no-headers |
ヘッダー行を出力しない。
※psコマンドを定期実行して結果をロギングする際などに有効。
|
output |
--cols [num] --columns [num] –-width [num] |
スクリーンの幅を num に設定する。 |
output |
--rows [num] --lines [num] |
スクリーンの行数を num に設定する。 |
output |
w, -w |
出力幅を広げる、このオプションを二つ指定すると出力幅が無制限となる。 例) ps axuww |
thread |
H |
スレッドをプロセスのように表示する。 |
thread |
-L |
可能ならば LWP と NLWP カラムをつけてスレッドを表示する。 |
thread |
m, -m |
プロセスの後にスレッドを表示する。 |
thread |
-T |
可能ならば SPID カラムをつけてスレッドを表示する。 |
misc |
-c |
スケジューリングクラスを表示する。詳細は不明。 |
misc |
c |
実際のコマンド名を表示する。コマンド名のみが表示される。コマンドのパスや引数等は表示されない。
例) ps axuc
|
misc |
e |
コマンドの後に環境変数を表示する。例) ps axue |
misc |
k, --sort |
ソート順を指定する。ソート対象の項目については後述の「表示フォーマット指定子」を参照されたし。
昇順でソートする場合は、ソート対象の項目の前に+ もしくは何も付加しない。
降順でソートする場合は、ソート対象の項目の前に – を付加する。
項目と項目は”, “で区切る。
例) ps axuwck -%cpu
※%cpuを降順に表示する。
|
misc |
L |
項目の一覧(項目名と項目ラベル)を表示する。 例) ps L |
misc |
n |
USER と WCHAN を数値で出力する。 |
misc |
S, --cumulative |
死んだ子プロセスも表示する。 |
misc |
--help |
ヘルプメッセージを表示する。 |
misc |
--info |
デバッグ情報を表示する。 |
misc |
-V, V, --version |
バージョン情報を表示する。 |
|
表示項目内容について下記に記載する。
※項目コードは表示項目の指定やそのソート順の指定時に各オプション(o オプションなど)と共に使用される。
※ヘッダーラベルは実際に一覧に表示される項目名称となる。
項目コード |
ヘッダーラベル |
説明 |
%cpu, pcpu |
%CPU |
CPUの%使用率。”##.#”という形式で表示される。プロセスの生存期間中に実行に利用した時間のパーセンテージで表示される。 |
%mem, pmem |
%MEM |
物理メモリに対するプロセスの常駐セットサイズがパーセンテージで表示される。 |
args, cmd, command |
COMMAND |
コマンド名とその引数両方が表示される。引数については実際の引数とことなるものが表示される場合もありうる。
なお "defunct" というマークがついたプロセスはゾンビプロセスである。
|
blocked |
BLOCKED |
ブロックされたシグナルのマスク。※詳細は不明。 |
bsdtime |
TIME |
ユーザーとシステムのCPU時間の合計。”MMM.SS”の形式で表示される。999分より多く使っている場合は右へシフトされる。(“MMMM.S) |
c |
C |
プロセッサ使用率。プロセスの生存期間中に利用したパーセンテージを整数であらわす。(0~100) |
caught |
CAUGHT |
キャッチされたシグナルのマスク。※詳細は不明。 |
class, cls, policy |
CLS |
プロセスのスケジューリングクラス。フィールドに表示される可能性のある値は下記のとおり。
-: 報告されていない。
TS: SCHED_OTHER
FF: SCHED_FIFO
RR: SCHED_RR
?: 不明な値
|
comm |
COMMAND |
実効ファイル名のみを表示する。引数は表示しない。 |
cp |
CP |
パーミル(パーセントの 1/10)で表示したCPU使用率。%CPUが 54.1 の場合 541 と表示される。 |
cputime, time |
TIME |
累積したCPU時間。”[dd-]hh:mm:ss” というフォーマットで表示される。 |
egid, gid |
EGID |
プロセスの実効グループ ID 番号を 10 進の整数で表示する。 |
egroup, group |
EGROUP |
実効グループ名を表示する。フィールド幅が確保できない場合は実効グループIDが10進数で表示される。 |
eip |
EIP |
命令ポインタ。 |
esp |
esp |
スタックポインタ。 |
etime |
ELAPSED |
プロセスが起動されてからの経過時間。[[dd-]hh:]mm:ss というフォーマットで表示される。 |
euid, uid |
EUID |
実行ユーザID |
euser, uname, user |
EUSER |
実効ユーザ名。表示フィールド幅が確保できない場合は実効ユーザIDが10進数で表示される。nオプションを使って10進数表示を強制できる。 |
f, flag, flags |
F |
プロセスフラグ。具体的な内容は下記のとおり。
1: fork されたが exec されていない。
4: スーパーユーザ権限を持っている。
|
fgid, fsgid |
FGID |
ファイルシステムのアクセスグループID。 |
fgroup, fsgroup |
FGROUP |
ファイルシステムのアクセスグループ名。表示フィールド幅が確保できない場合はアクセスグループIDが10進数で表示される。 |
fname |
COMMAND |
プロセスの実行ファイル名のベース名の先頭8バイト。出力名にはスペースが含まれることもある。 |
fuid, fsuid |
FUID |
ファイルシステムのアクセスユーザID。 |
fuser, fsuser |
FUSER |
ファイルシステムのアクセスユーザID。 |
gid |
GID |
egid を参照。 |
group |
GROUP |
egroup を参照。 |
ignored, sig_ignore, sigignore |
IGNORED |
無視されたシグナルのマスク。フィールド幅に応じて32ビット、または64ビットマスクが16進数フォーマットで表示される。 |
label |
LABEL |
セキュリティラベル。SELinuxのコンテキストデータ。これはセキュリティレベルの高いシステムにある強制アクセス制御(Mandatory Access Control (MAC))のために存在する。 |
lstart |
STARTED |
コマンドが起動された日時。 |
lwp, spid, tid |
LWP |
ライトウェイトプロセスまたはスレッドのIDが表示される。 |
ni, nice |
NI |
nice値。負のnice値は高い優先度を意味し、正のnice値は低い優先度を意味する。0の場合はタスクの割り当て時に優先度が調整されていないことを意味する。 |
nlwp, thcount |
NLWP |
プロセスにおける lwp(スレッド)の数。 |
nlwp, thcount |
NLWP |
プロセスにおける lwp(スレッド)の数。 |
nwchan |
WCHAN |
プロセスが休止しているカーネル関数のアドレス。カーネル関数名が必要な場合はwchan を使うこと。実行中のタスクはこのカラムにダッシュ(‘-’)を表示する。 |
pcpu |
%CPU |
%cpu を参照。 |
pending, sig, sig_pend |
PENDING |
待機中のシグナルのマスクを表示する。 |
pgid, pgrp |
PGID |
プロセスグループID。プロセスグループリーダのプロセスIDと等しい。 |
pgrp |
PGRP |
pgid を参照。 |
pid |
PID |
プロセスID。 |
pmem, %mem |
%MEM |
%mem を参照。 |
policy, class, cls |
POL |
classを参照。 |
ppid |
PPID |
親プロセスのプロセスID。 |
psr |
PSR |
プロセスが現在割り当てられているプロセッサ。 |
rgid |
RGID |
実グループID。 |
rgroup |
RGROUP |
実グループ名。表示フィールド幅が確保できない場合は実グループIDが10進数で表示される。 |
rss, rssize, rsz |
RSS |
タスクが使用しているスワップされていない物理メモリ(kB)。 |
rssize |
RSS |
rss を参照。 |
rsz |
RSZ |
rss を参照。 |
rtprio |
RTPRIO |
リアルタイム優先度。 |
ruid |
RUID |
実ユーザID。 |
ruser |
RUSER |
実ユーザ名。表示フィールド幅が確保できない場合は実グループIDが10進数で表示される。 |
s |
S |
プロセスの状態コードを表示する。状態コードは下記のとおり。
D:割り込み不可能なスリープ状態 (通常 IO 中)。
R: 実行中または実行可能状態 (実行キューにある)。
S:割り込み可能なスリープ状態 (イベントの完了を待っている)。
T:ジョブ制御シグナルまたはトレースされているために停止中の状態。
W:ページング状態 (2.6.xx カーネルからは無効)。
X:死んだ状態 (見えるべきではない)。
Z:終了したが、親プロセスによって回収されなかった、 消滅した(ゾンビ)プロセス。
|
sched |
SHC |
プロセスのスケジューリングポリシー。
0: sched_other
1: sched_fifo
2: sched_rr
|
sess, session, sid |
SESS |
セッションID。セッションリーダーのプロセスIDと等しい。 |
sgi_p |
P |
プロセスが現在実行されているプロセッサ。プロセスが実行中でない場合、または実行可能でない場合は * が表示される。 |
sgid, svgid |
SGID |
保存グループID。 |
sgroup |
SGROUP |
保存グループ名。表示フィールド幅が確保できない場合は保存グループIDが10進数で表示される。 |
sid, sess, session |
SID |
sess を参照。 |
sig, pending, sig_pend |
PENDIGN |
pending を参照。 |
sig_pend, pending, sig |
SIGNAL |
pending を参照。 |
sigcatch, caught, sig_catch |
CAUGHT |
caught を参照。 |
sig_catch, caught, sigcatch |
CATCHED |
caught を参照。 |
sigignore, ignored, sig_ignore |
IGNORED |
ignored を参照。 |
sigmask, blocked, sig_block |
BLOCKED |
blocked を参照。 |
sig_block, blocked, sigmask |
BLOCKED |
blocked を参照。 |
size |
SZ |
プロセスの全ての書き込み可能なページがダーティ(dirty)で、スワップアウトされると仮定したときの、必要とされるスワップ空間の概算の大きさ。この数値はかなり大雑把なもののようである。 |
spid, lwp, tid |
SPID |
lwp を参照。 |
stackp |
STACKP |
プロセスのスタックの開始アドレス。 |
start |
STARTED |
コマンドが起動した時刻。プロセスの稼働時間が24時間以内の場合は開始時刻が”HH:MM:SS” の形式で表示される。プロセスの稼働時間が24時間を超える場合は”mmm dd” の形式で表示される。なお mmm は月を表す3文字のアルファベットで表示される。 |
start_time, stime |
START |
プロセスの起動時刻。
稼働開始日時が同日の場合は “HH:MM” で表示される。 例) 16:31
稼働開始日時が前日以前の同年場合は、“mmdd” で表示される。 例) 4月26
稼働開始日時が同年より前の場合は年のみが表示される。 例) 2019:MM:SS” の形式で表示される。
プロセスの稼働時間が24時間を超える場合は”mmm dd” の形式で表示される。なお mmm は月を表す3文字のアルファベットで表示される。
|
stime, start_time |
STIME |
start_time を参照。 |
stat |
STAT |
プロセスの状態コードを表示する。s, state オプションでは下記のプロセス状態コードのみを表示するが、stat オプションではそれに加えて下記の添付文字が表示されることがある。
●プロセスの状態コード
s, stat, state 出力指定子 (ヘッダ "STAT" または "S")がプロセス状態の説明のために 表示する値を以下に示す。
D: 割り込み不可能なスリープ状態。 (通常 IO 中)
R: 実行中または実行可能状態。 (実行キューにある)
S: 割り込み可能なスリープ状態。 (イベントの完了を待っている)
T: ジョブ制御シグナルまたはトレースされているために停止中の状態。
W: ページング状態。 (2.6.xx カーネルからは無効)
X: 死んだ状態。 (見えるべきではない)
Z: 終了したが親プロセスによって回収されなかった消滅した (ゾンビ)プロセス。
●添付文字
< 優先度の高いプロセス。 (他のユーザーに対して良くない)
N: 優先度の低いプロセス。 (他のユーザーに対して良い)
L: 実メモリのページをロックして利用している。 (リアルタイム処理やカスタム IO向け)
s: セッションリーダ。
l: マルチスレッド化されている。 (NPTL pthreads が行うように、CLONE_THREAD が使われている)
+: フォアグラウンドのプロセスグループに含まれている。
|
state, s |
S |
s を参照。 |
suid, svuid |
SUID |
保存ユーザID。 |
suser |
SUSER |
保存ユーザ名。表示フィールド幅が確保できない場合は保存グループIDが10進数で表示される。 |
svgid, sgid |
SVGID |
sgid を参照。 |
svuid, suid |
SVUID |
suid を参照。 |
sz |
SZ |
プロセスのコアイメージの物理ページサイズ。これには、テキスト・データ・スタック空間が含まれる。 |
thcount, nlwp |
THCNT |
プロセスが所有するカーネルスレッドの数。 |
tid, lwp |
TID |
lwp を参照。 |
time, cputime |
TIME |
累積したCPU時間。”[dd-]hh:mm:ss” というフォーマットで表示される。 |
tname, tt, tty |
TTY |
制御端末(tty)。 |
tt, tname, tty |
TT |
tname を参照。 |
tty, tname, tt |
TT |
tname を参照。 |
ucmd, comm, ucomm |
CMD |
comm を参照。 |
ucomm, comm, ucmd |
COMMAND |
comm を参照。 |
uid, euid |
UID |
euid を参照。 |
uname, euser, user |
USER |
euser を参照。 |
user, euser, uname |
USER |
euser を参照。 |
vsz, vsize |
VSZ |
プロセスの仮想メモリサイズ(KiB, 1024バイト単位)。デバイスマッピングは現在のところ除外されている。 |
vsize, vsz |
VSZ |
vsz を参照。 |
wchan |
WCHAN |
スリープ中のプロセスのカーネル関数名。プロセスが実行中の場合は “-” が表示される。プロセスがマルチスレッドで、psがスレッドを表示していない場合は ”*” が表示される。 |
|